はじめてのエンディングノート｜初心者でも迷わない書き方5ステップ

「エンディングノート」という言葉を聞くと、少し胸がざわつきませんか？

「まだ早い」「なんだか怖い」「でも、もしものときに家族が困ったら…」——。

そう思いながら、書きたい気持ちはあるのに、どう始めればいいのか分からない。

多くの人が、そんな“優しい迷い”の中で足を止めています。

でも、本当のエンディングノートは「死の準備」ではなく、「これからを安心して生きるためのノート」です。

書くことで、あなたの想い・希望・大切な情報が“カタチ”になり、心の中のモヤモヤが少しずつほどけていきます。

そしてそれは、あなた自身への安心のプレゼントであり、家族への思いやりの証にもなります。

このページでは、初心者でも迷わず書けるように、「5つのステップ」でやさしく解説。

何から書けばいいか、どんなノートを使えばいいか、続けるコツまで丁寧にお伝えします。

大丈夫。完璧でなくていいんです。

今日、1ページ書くだけで、未来の安心がひとつ増えます。

あなたの“想い”を、少しずつ残していきましょう。

【この記事を読んでわかること】
✔ エンディングノートの目的と遺言書との違いがわかる
✔ 初心者でも迷わない書き始め方と準備のコツを学べる
✔ まず書くべき基本3項目（個人情報・財産・医療希望）を理解できる
✔ 家族への伝え方・デジタル資産整理など安心をつなぐ方法がわかる
✔ 自分に合ったエンディングノートの選び方も見つかる
✔ 今日から1ページ書くだけで、未来の安心がひとつ増える

STEP1｜目的を知る｜エンディングノートは“これからの安心ノート”

エンディングノートは、人生の棚卸しと心の整理を同時に行えるツールです。

「終活」という言葉に重さを感じても、本質は“これからを安心して生きるための準備”。

「エンディングノートは“生きる準備”」｜本来の目的を知ろう

エンディングノートは、「人生の終盤を整えるためのもの」ではなく、「これからの人生を整理して安心して生きるためのノート」です。

書くことで、自分の想いや資産、希望を一度“見える化”できます。

たとえば、医療や介護の希望を整理しておくと、家族が迷わず判断できるようになります。

また、人生の棚卸しを通して「これから何を大切にしたいか」に気づくきっかけにもなります。

つまりエンディングノートは、未来を守るための前向きなツールなのです。

遺言書との違いは？法的効力と役割をやさしく解説

📘 STEP1｜エンディングノートと遺言書の違い

💡比較項目	📔エンディングノート	📜遺言書
⚖️ 法的効力	なし	あり（民法に基づく）
✏️ 書き方の自由度	自由（形式なし）	厳密な形式が必要
🎯 主な目的	想い・希望の伝達	財産分配の明確化
🔁 修正のしやすさ	何度でも書き直せる	変更には新たな作成が必要

エンディングノートと遺言書は混同されがちですが、目的と効力が異なります。

遺言書は法律で定められた形式があり、財産の分配などに法的効力を持ちます。

一方で、エンディングノートは自由に書ける「想いを伝える記録」であり、形式や書き方に決まりはありません。

たとえば「誰に何を残したいか」よりも、「家族にどうしてほしいか」を柔らかく伝えられるのが特徴です。

つまり、法的書類ではなく“心のメッセージ帳”として活用するのがポイントです。

40〜50代で書き始める人が増えている理由

近年、エンディングノートを書き始める年代が50代を中心に若年層へも広がりつつあることがわかっています。

一般社団法人終活協議会が実施した調査によると、「50代・60代から記入を始めたほうがいい」と回答した人が全体の約55％、さらに「30代・40代から書き始めたほうがいい」と答えた人も約21％でした。

これは、人生100年時代を見据えて「元気なうちに整理しておきたい」「家族に迷惑をかけたくない」と考える人が増えていることを示しています。

エンディングノートは“もしもの備え”にとどまらず、これからの生き方を整えるための道具として広く受け入れられ始めています。

（参照：一般社団法人終活協議会「エンディングノートに関する意識調査」（2021年5月、PR TIMES））

STEP2｜準備する｜書く前に決めておきたい3つのこと

いきなり書き始めると、何をどこまで書けばいいか分からず手が止まりがちです。

エンディングノートの種類と選び方｜初心者におすすめの形式

📗 STEP2｜ノートのタイプ別の特徴

📚 種類	💡 特徴	👤 向いている人
📝 市販ノート	項目が整理されており迷わず書ける	初心者・紙派の人
✍️ 自作ノート（手書き）	自分好みに自由に書ける	クリエイティブ派
💻 デジタル（Word・Notionなど）	修正や更新がしやすい	PCやスマホが得意な人

エンディングノートには「市販の専用ノート」と「自作ノート（ノートやPC）」の2タイプがあります。

大切なのは、自分が「書きやすい」と感じる形式を選ぶことです。

手書きが得意な人は市販ノート、デジタル管理が好きな人はWordやNotionなどでも構いません。

迷う場合は、最初に1冊試して「書ける感覚」をつかむのがおすすめです。

形式よりも「続けやすさ」を重視すると、自然と内容が充実していきます。

💡エンディングノート選びで迷ったら、まずは定番の市販ノートをチェックしてみましょう。
どれも書きやすさ・デザイン・構成が工夫されており、初心者にも人気です。

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まず書くのはこの3項目（個人情報・財産・医療希望）

エンディングノートの項目は多岐にわたりますが、最初に押さえたいのは「個人情報」「財産」「医療希望」の3つです。

この3つだけでも、家族が困る場面の多くをカバーできます。

たとえば、緊急時の連絡先・保険証の場所・医療の希望を記しておけば、突然の入院時もスムーズに対応できます。

慣れてきたら、想いのメッセージや相続関係の希望などを追加すればOK。

最初から全部書こうとせず、「この3つを整理できたら合格」と考えると続けやすいです。

エンディングノートはどこから書く？順番のコツを解説

📙 STEP2｜書く順番のおすすめフロー

🪜 ステップ	🗂 内容	💡 ポイント
STEP①	基本情報（名前・住所・家族構成）	書きやすいところからスタート
STEP②	財産・保険・連絡先	実務的な情報で流れを作る
STEP③	医療・介護・相続の希望	自分の考えを整理する
STEP④	家族へのメッセージ	最後に心を込めて記す

多くの人が最初につまずくのは「どの項目から書けばいいか分からない」という点です。

おすすめは、「客観的な情報 → 感情的な内容」の順に進める方法。

たとえば、まずは個人情報や金融口座などの“事実”から書き始め、次に家族へのメッセージや人生の振り返りへ移ると自然に筆が進みます。

数字や事実から入ると、心理的な負担が少なく、全体の構成も整理しやすくなります。

この順番を意識すれば、「書きやすさ」と「完成度」を両立できます。

STEP3｜実際に書く｜初心者でもスラスラ書けるコツ

「書くぞ！」と決めても、いざペンを持つと手が止まってしまうことがあります。

空欄があってもOK！完璧を目指さない“ゆるノート法”

エンディングノートは、すべての項目を埋めなくても大丈夫です。

大切なのは「今の自分にわかる範囲で書く」こと。

完璧に仕上げようとすると、かえって重荷になり途中で止まってしまいます。

たとえば「保険の詳細が分からない」ときは、「保険に入っている」「証券はこの引き出し」程度でも立派な情報です。

最初は7割書ければ十分。

あとから何度でも書き足せます。

“未完成でも価値がある”と考えることで、気軽に続けられます。

思い出話や写真を入れて「自分らしさ」を残す工夫

エンディングノートは、単なる情報整理帳ではありません。

自分らしさを込めることで、読む人にあたたかい印象を与えられます。

たとえば「家族との思い出」「好きな言葉」「昔よく聴いた音楽」などを小さく添えるだけでも十分。

写真を貼ったり、子どもや孫へのメッセージを一文書いたりすると、あなたらしさがぐっと伝わります。

数字や形式より、「その人の人生の温度」が伝わることが、何よりの贈り物になります。

私が最初に書いたのは“感謝リスト”だった（体験談）

私自身も最初は、何を書けばいいか分かりませんでした。

そこで「これまで出会った人への感謝」を書くことから始めました。

「両親」「昔の上司」「友人」など、名前を書いて一言ずつ思い出を添えると、自然とペンが進みます。

不思議なことに、感謝を書き出すほど気持ちが落ち着き、「自分の人生、けっこう頑張ってきたな」と実感できました。

エンディングノートは“未来に備える”だけでなく、“今の自分を癒す”時間でもあります。

STEP4｜続ける｜1日10分で続く“分割法”と見直し習慣

せっかく書き始めても、続けられずに途中で止まってしまう人は少なくありません。

1テーマ＝1日でOK！小分けで進める「分割法」

エンディングノートを続けるコツは、「少しずつ書く」ことです。

たとえば1日10分だけ、「医療」「保険」「家族の連絡先」など1テーマに絞って書くと負担が軽くなります。

完璧主義で一気に仕上げようとすると挫折しやすいですが、1日1項目なら無理なく前に進めます。

“分割法”は、継続のハードルを下げる最も効果的な方法です。

小さな積み重ねでも、数週間後には立派な「自分だけのノート」が出来上がります。

「年1回の見直し」をルール化すると続けやすい

📒 STEP4｜見直しチェック例

📆 見直し時期	🗂 主な更新内容	💡 ポイント
🎂 誕生日	基本情報・家族構成	1年の節目に振り返る
🎍 年末	財産・保険・相続関係	年内に整理してスッキリ
🌸 春（確定申告時）	金融情報・口座	データを確認する良いタイミング

エンディングノートは、一度書いたら終わりではありません。

ライフステージが変わると、書いた内容も更新が必要になります。

おすすめは「誕生日」や「年末」など、毎年1回見直す日を決めておくこと。

更新日を決めておくと、“見直しが面倒”という心理的な壁が小さくなります。

特に住所や保険、相続関係は変化しやすい項目です。

定期的に見直すことで、常に「最新の安心ノート」として家族に役立つ内容になります。

エンディングノートを書く時間を“未来へのお守りタイム”に

「エンディングノートを書く時間」は、未来への不安を整える時間でもあります。

夜に10分だけ静かにノートを開くと、気持ちが落ち着き、頭の中が整理されていきます。

「書く＝未来を整える習慣」と考えると、続けることが自己ケアにもなります。

また、家族と共有して“今年も見直そう”と話すことで、自然に会話が生まれ、絆が深まります。

この時間が「終わりを考える」ものではなく、「生き方を見つめ直す」時間へと変わっていくのです。

STEP5｜家族と共有する｜安心をつなぐ最後のステップ

せっかく書いたエンディングノートも、家族に伝わらなければ意味がありません。

エンディングノートの伝え方｜“元気なうち”に伝えるのがベスト

エンディングノートは、無理に“渡す”必要はありません。

大切なのは、どこに保管しているか、どう使ってほしいかを元気なうちに伝えておくことです。

体調を崩してからでは、本人も家族も冷静に話しづらくなってしまいます。

たとえば食事の時間や帰省のときに、「もしものときはこのノートを見てね」と軽く伝えるだけでも十分。

深刻な話題にせず、“安心を共有するメモ”として話しておくと、家族も自然に受け止めてくれます。

こうしたひと声が、もしもの時に慌てない大きな支えになるのです。

話しづらい内容をやさしく伝える言葉の選び方

📕 STEP5｜伝え方の工夫例

🗣 シーン	💬 言い方の例	💡 ポイント
👩‍👧 親に伝える	「私も準備を始めたよ。安心だよね」	自分ごととして話す
💑 パートナーに伝える	「これ、二人で見直せたら安心かも」	協力スタンスを出す
👨‍👩‍👧‍👦 子どもに伝える	「家のこと、少し整理しておいたよ」	重くせず自然に伝える

お金や介護などの話題は、正直に伝えるほど関係がぎくしゃくしやすいものです。

そんなときは、「心配だから」ではなく「安心してもらいたいから」という言葉に置き換えて話すのがおすすめです。

たとえば「もしものときに困らないように整理しておきたくて」と伝えると、相手の受け止め方がやわらかくなります。

感情的な言葉よりも、“相手への思いやり”を中心に話すことが大切です。

言葉の選び方ひとつで、家族の雰囲気が安心に包まれます。

デジタル資産・スマホ・SNSの記録も忘れずに

💻 STEP5｜デジタル資産の記載項目チェックリスト

💾 項目	📋 内容例
🔐 スマホロック番号（ヒント）	「誕生日＋末尾2桁」などメモ的に記載
🌐 利用サービス一覧	銀行アプリ・電子マネー・SNS名
☁️ 大切なデータの保管先	Googleドライブ・iCloudなど
📞 連絡すべき人	親友・仕事関係者など3名程度

今の時代、エンディングノートに書くべきは紙の財産だけではありません。

ネット銀行、電子マネー、SNSなど、スマホやクラウド上にある“見えない資産”も重要です。

たとえば、どのサービスを使っているかを一覧にしておくだけで、家族が困る時間がぐっと減ります。

さらに、手軽なデジタル終活として注目されているのが「スマホのスペアキー」です。

名刺サイズの厚紙にスマホの型番とパスワードを書き、修正テープを数回重ねて隠すだけ。

重要書類と一緒に保管すれば、もしもの時に家族が発見しやすく、普段はプライバシーも守れます。

削られた痕跡が残るため、不正利用の心配にも対応しやすい仕組みです。

こうした工夫をエンディングノートと組み合わせることで、デジタルも含めた“安心の見える化”が実現します。

（参照：国民生活センター「今から考えておきたい『デジタル終活』」）

まとめ｜エンディングノートで“未来の安心”を整えよう

ここまで読んだあなたは、もうエンディングノートの最初の一歩を踏み出せる準備が整っています。

完璧じゃなくていい。「今の気持ち」を書くことに価値がある

エンディングノートは、完成させることよりも「書き始めること」に意味があります。

今の自分の考えや想いを残しておくだけで、家族への最高のプレゼントになります。

たとえ数行でも、「自分はこう考えている」「この人に連絡してほしい」と書いておくだけで十分です。

書くことで気持ちが整理され、これからの人生をより安心して過ごせます。

大切なのは“完璧さ”ではなく、“今のあなたらしさ”です。

エンディングノート無料テンプレート・市販ノートのおすすめ

📔 まとめ｜おすすめノートの一例

📘 種類	💡 特徴	🛒 入手方法
🏛 自治体配布テンプレート	無料・シンプルで書きやすい	自治体HP・終活イベントなど
🏢 保険会社提供版	医療・介護項目が充実	公式サイトからダウンロード
🏬 市販ノート	丁寧な設計・高品質	書店・通販サイトで購入可能

「書きたいけれど、どのノートを使えばいいか迷っている」という人には、まず無料テンプレートや市販の専用ノートの活用がおすすめです。

自治体や保険会社の配布物も増えており、さらに法務省が配布している無料の「エンディングノート」PDFもダウンロード可能です（参照：法務省）。

また、本屋で販売されている市販ノートは、項目が整理されており初めてでも安心です。

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「どれを選べばいいか迷う…」という方へ。
初心者でも使いやすく、信頼性の高い3冊を厳選しました。
まずは気になる1冊を手に取り、1ページだけでも書いてみましょう。

📘 商品名	💡 特徴・おすすめポイント	🌿 公式サイトで確認
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今日、1ページ書くことで未来が変わる

エンディングノートは、“いつか”ではなく“今日”から始めるのがいちばんのポイントです。

1ページでも書いておけば、いざという時の安心感がまったく違います。

そして、それをきっかけに「生き方」や「家族との時間」について自然に考えるようになります。

書くことは“終わり”の準備ではなく、“これからを整える習慣”です。

今のあなたの言葉が、未来の誰かの支えになります。

Q&A

エンディングノートって、まだ若いうちから書く必要あるの？

はい。エンディングノートは「人生の終盤を整えるためのもの」ではなく「これからを安心して生きるためのノート」です。40〜50代から書き始める人も増えており、自分の希望や情報を整理することで、将来への備えができます。若いうちに書いておくと、心の余裕にもつながります。

遺言書とエンディングノートの違いは？

エンディングノートには法的効力はなく、自由な形式で自分の想いや希望を書けます。一方、遺言書は民法に基づき、財産の分配などに法的効力があります。つまり、エンディングノートは“心の記録”、遺言書は“法的手続きの文書”として使い分けるのがポイントです。

最初に書くべき項目はどれ？

初心者は「個人情報」「財産」「医療希望」の3つから始めるのがおすすめです。これらは家族が困る場面で特に役立つ情報です。すべて完璧に書く必要はなく、分かる範囲でOK。まずは7割を目指しましょう。

書き始めたけど続きません…コツはありますか？

「1日10分」「1テーマだけ書く」など、小分けにする“分割法”がおすすめです。また、誕生日や年末など、年1回見直す習慣を決めておくと継続しやすくなります。完璧を目指さず、「書けたところまでで十分」と考えるのがコツです。

家族にどうやって伝えたらいい？

「このノート、何かあったら見てね」と軽く伝えるだけで十分です。場所と使い方だけでも家族が把握していれば、いざという時に安心です。重くならないよう、「安心を共有したい」という気持ちで話すのがポイントです。

スマホやSNSの情報も書いておくべき？

はい。ネット銀行やSNSなど、デジタル資産の情報もエンディングノートにまとめておくと安心です。スマホのロック解除情報や利用サービスの一覧など、最低限の情報を記録しておくことで、家族が困らずに対応できます。